七面鳥事件

これは、去年の感謝祭の頃のお話です。

こちらでは、感謝祭には、七面鳥の丸焼きを頂きます。

日本のお正月のお節料理のように、毎年、同じような

定番のご馳走のメニューというものがあります。

この不景気な中、インフレも凄まじく、物価急上昇中のこの時期、

有難いことに、スーパーが七面鳥を

無料でプレゼントしてくださいました。

すみません、嘘でした。無料というか、ポイントで支払いです。

そういう意味では、全くの無料ではないですけど。

主人は、いそいそと何日も前から、この

大きな七面鳥を解凍し始めました。

私は、数時間かけて、この七面鳥のマリネ液を作りました。

大きな七面鳥なので、マリネ液も大鍋で作りました。

感謝祭のご馳走をたくさん作って、盛大にお祝いしようと

いう事になっていました。サラダやデザート、付け合わせの

マッシュポテト、クランベリーソース、スタッフィングとよばれる

七面鳥のお腹にいれる詰め物など、沢山の材料を買ってきて

準備をし始めました。

予定では、会社に置かしてもらっている燻製器を使って七面鳥の

燻製を作るとか言っていたのですが、感謝祭前日の水曜日も、当日の

木曜日も、ブラックフライデーも、週末も、結局、５日間、

ベロンベロンに酔っ払って感謝祭の休日は過ぎ去っていきました。

可哀そうな七面鳥は、大きなお鍋の中で異臭を放っていました。

はい、私は、ムカついたので、そのままにしてありました。

感謝祭の週末明けの月曜日、主人は七面鳥をゴミ捨て場に持っていきました。

大鍋も洗っていました。

この時は、針先くらいは、反省をした風を装っていました。

代わりの七面鳥を買ってくるよと言ってましたが、私は、

要らないとお断りしました。

あぁ、もしかすると、七面鳥は、主人を頼らずに、自分で調理すれば

良かったんじゃないの？と思われているかもしれませんが、

この巨大な七面鳥は、サービスアパートメントに備え付けられている

小さなオーブンには入れる事は出来ませんでした。

私が、主人の会社に勝手に入っていって、七面鳥を調理するのも

無理な話でした。

七面鳥さん、ごめんなさい。大事な命を無駄にしてしまいました。

いつもの事ですけど、本当に何か予定を立てて、

その予定通り行動したことってほぼほぼないです。

残念な感謝祭となってしまいました。