ホームレスになりかけた話 ー3-
ホテルの持ち主は、主人に向かって
こんな風に話し始めました。
さて、私は支配人の上司である。
支配人の従業員は、私の
従業員という事になる。
君は、私の従業員を怒鳴りつけたのか?
主人は、ベロンベロンに酔っ払っているので、
通常なら、怒鳴られたら、怒鳴り返しますが、
僕は怒鳴ったことなんか一度もないよと
まるで小さい子供のように答えました。
ホテルの持ち主は、頭の血管が切れるのでは
ないかと私が心配するほど、何度も何度も
従業員をどなったのか?ホテルに文句があるのか?
と主人を怒鳴り続けました。
私は、考えました。何とかしなければ。
時間がない。
主人が後どのくらい
持ちこたえてくれるか分からない。
きっと、苦情を言ったのは確かだろう。
実際何か揉め事はあったのだろう。
ホテルの持ち主がわざわざここに来たという事は、
間違いなく、私達に強制退去を告げに来たのだろう。